「いまが消えないうちに夢見たい」
蓮ノ空 102 期の声優たちは涙と歓声が交わるライブの中で(多分)永遠に舞台から降りた。
自分が現在進行形で推しているプロジェクトの中で蓮ノ空は二番目の立ち位置だから「ライブは現場全通!」という気持ちではなく、毎度ライブを開く際に一日だけ或いはリモートで参加するケースが殆どになっていた。しかし今回は卒業公演ということで、これは流石に全通しなきゃと思って、両日も応募して、そして運よく両方とも最速先行抽選で当たった。
ユニット的に自分はスリーズブーケを推しているのだが、キャラクター的に言うと自分は花帆だけを推している。なので今回そもそも花帆自身は卒業しないから、何しに行ってんのと突っ込まれがちなんだが、それに関してはちゃんとした理由がある。
それは私が推している花帆は、梢センパイが傍にいる花帆だからである。
梢センパイなしでは、花帆が花帆と成しえない。
キャラクター間の関係性、特に先輩と後輩の関係性は蓮ノ空のコンセプトを作り上げる重要な核心の一つだと自分は思っている、それはストーリーの中でも楽曲の中でも幾度も表している、なので梢センパイが卒業したら花帆の半身がなくなると言ってもいい。
そんな花帆の半身を見送るために、私は今回のライブに参戦した。
そして両日共にボコボコにされちゃった。
Day1 の「飴色」が始まる前に舞台上の幽かな照明を借りて見える DOLLCHESTRA 二人だけの登場の衝撃が今でも鮮明に覚えている。その手がくるとは思わなかった、まだ 3 曲目なのにすでに目がうるっとしてきた。4 曲目の「レム」でもう泣き始めた、早いって。それから MC6 までは通常運転、3 年生の卒業曲が始めたらずっとボロ泣きで、アンコール「抱きしめる花びら」はすごく印象深かった、かつて沙知が卒業した時に 102 期生が沙知に向けて歌い 103 期生が後ろで見守った曲が、今度は 103 期生が 102 期生に向けて歌い 104 期生が後ろで見守る形になって彼女たちの時間が本当に流れているだなと実感した。
Day2 の「BANG YOU グラビティ」最後ルリとめぐのセリフで噛み締めて、「フォーチュンムービー」最後花帆と梢のセリフで尊死して、「眩耀夜行」の「時間を止めてよ」のところで宇宙を感じた。MC6 野中が「先ほどの「COMPASS」「全方位キュン♡」「ユメワズライ」で、104 期それぞれユニットの披露曲終わりました」と語り、それを聞いて心の準備とか何もなかった知らないうちに終わっちゃったなと思いつづ、涙を嚙み締めながら長々と拍手した。その後も野中がみんなの感想を聞こうとしてたけど、掘り下げたら危ないんで誰も何も言わなかった。MC 後卒業ソロ曲パートに入り、「幸せのリボン」でボロ泣きして、さらに「やっぱ天使!」で号泣しながら渾身の声でコールしてた、そこで初めてこんな気持ちになれるんだ人間って思った。梢の「be proud」はカッコイイ系の曲だから泣いてなかったが、梢の性分を十分表している曲だと思っていた。「いつでも、いつまでも」でまたボロ泣きにされて、特に花道を歩いているところは何回見てもやばかった。「365 Days」で各学年生それぞれの思いをお互いにぶつけて、そしてラスト 2 番目「明日の空の僕たちへ」が来て、もう節目が来てるだなと実感して、また涙がこぼれた。最終の MC で演者全員が泣いて、さらにうい様が「私が終わらなければライブが終わらない」の悪あがきをして伝説級の長い MC をしてまた全員を泣かせて、琴子は最後の MC にらしくなくいつも通りにふざけていた、多分ちゃんと喋ったら泣いちゃうからあえてやらないとようにしていたかもしれない。全ての曲が終わって終わりの挨拶のところでのんちゃんとうい様が顔をお互いの肩に隠してハグする様子もエモかった。
そんな感じで、泣きすぎて叫びすぎて、翌日は見事にライブ翌日症候群にハマっていた。
前にもどこかで言ったことあるかもしれないが、蓮ノ空の現実の時間と連動して三年生になったら次は卒業するという設定自体は嫌いではないし、むしろ蓮ノ空の初期メインテーマである「限りある時間の中で、精一杯に花咲こうともがく」とリンクしていて、今振り返るとそれがとっくに決まった伏線だと分かる。そういう時間の流れがあるからこそ今まで他のプロジェクトでは感じ取れない感情と感動をたくさん体験できる、皮肉にもそれが卒業という設定のおかげ、卒業したらもう二度と見れないのに。
かと言って蓮ノ空 102 期と 103 期は今でも圧倒的に多い人気を保有しているから、最も鮮やかに咲いている時にそれを散らすのは流石に運営のほうもかなり高いリスクを冒しているはず、何しろ前例のない現実の時間と連動するプロジェクトだから運営も手探りながらやっているはず。最終的にそれは良い結果なのか悪い結果なのか今はまだ分からないけど、いったんたくさんの初めての感情を体験させてもらったことに演者とクリエイターに感謝。
個人的に今回卒業ライブは伝説級と言えるほど満足度が過去一高いと思っている。卒業をもたらす感情ボーナスと演者自身の Vo. Vi. Da. は全面的に他のプロジェクトを圧倒している、一週間前に 1st ライブをやっていたどこかのプロジェクトに見習ってほしい。
だが、卒業ライブのその先はどうするかは、まだ決められずにいる。花帆がまだ残っているから恐らく 103 期が卒業するまでもうしばらく付き合うことになると思うけど、ライブの現地参戦は多分 103 期卒業ライブ以外はもう参加しないでしょう。正直言ってうい様がいなくなった後の二人のスリーズブーケにはもう正面から向き合うつもりはないし、唯一にまだ興味が残っているのは花帆が卒業するまでの活動記録、この物語はどんな終わり方を迎えるのか、もうしばらくだけ見守ってあげたいと思う。