「クリミナルボーダー」感想
死に損ねたな……
男どもは全員死んで地獄でひなに会うっていう結末を予想してたけど見事に目論見が外れた。
ハッピーエンドが嫌いなわけでも主人公を殺す趣味があるわけでもないけどあんなに濃い展開の後まだハッピーエンドでいられるのは少し都合が良すぎないと思ってた。実際エピローグ直前凛がメリルの電話を受け「チョコケーキ」のメッセージを聞いた時は一瞬主人公が生きてて辰也だけが死んだのでは?と少しイラついて、エピローグに入ったら辰也も生き残れたのを知って「まあそれなら……」みたいな気分になっていた。
結末はさておいて、ライターさんが思い付く復讐を達成させる手口は実に見事だった。オヤジにカチコミに行ったら確率大で負ける、かと言って復讐は達せなければならない、だったら素人のガキはどうしたら合理的にそれを実現できるのか。結果的に苦肉の策はロジカルで説得力のある見事なトリックだった。
ライターと言えば、まだ 2 作(8 作?)しかプレイしてないけど「9 -nine-」と並んでみたら企画兼シナリオの一二三さんはどうやら主人公を痛めつける趣味を持ち合わせているらしい……
作品を 4 本に分けて出すこと自体はいいことかどうかは人それぞれだと思うけど、分割したからクリミナルボーダーっていう作品のタイトルをよりはっきり意味を持つことになってると思う。一作目は悪事に手を染める、二作目はヤクザの仲間入り、三作目は殺人、四作目は境(ボーダー)がなくなる。主人公のクリミナルボーダーは作品ごとに徐々に広げられてやがてなくなる。一作目をプレイした時点ではキモヲタが裏世界の王に成り上がる物語かと思っていたがまさかの復讐劇だった。全体をプレイしてそれなりに満足してるから良作とは言えるでしょう。
それにしてもシャブ漬けにされて獣みたいに喘ぐ凛のシーンを見て全然勃たなかったぞ……考えてみれば今までやってきた抜きゲーにもそれなりにシャブ漬けのシーンがあってそれなりに実用だったし、シチュエーション自体は同じでも心情の一つが変わるだけで完全に違うシーンに見えてくるだよな。やはり心の一つで物事の性質が勝手に決められちゃって、心は主観的なものだから同じ物事に対して人それぞれ主観を持って相違はそうやって生み出すなどなどとエロシーンを見ながらそんなんこんなん哲学のことを考えるワイだった。
つまりエロは哲学だ。