「贄の匣庭」感想

同人ゲームの皮を被った商業ゲーム。
エンジンとして Unity が採用されているのエロゲ業界では珍しいことでもあるし、恐らくライセンス面で商業ゲームとして Unity を使うのは金がかかるからあえて同人ゲームという形でリリースしたのではないかと考えられる。同人ゲームとして出す以上パッケージ版を出るのは難しいだろうが昨今の状況を鑑みて大したデメリットにはならないはず、特に DL site の存在が大きいからもしかしたら同人ゲームとして出したら普通に流通を通じて出すよりも売れるんじゃないかという制作側の試みが含まれているかもしれない。
まあ DL site で表示されている販売本数を見るとあんまり芳しくないだけどね……インターアクションのない純粋な ADV はやはりもうはやらないかな……

それなりにバイオレンス・スプラッタージャンルのゲームをやってきたから言うんだが、本作はエロスとグロテスクの表現上はとても素晴らしく、一切妥協がないように感じ取れる。カグユヅさんの作画そのものは神であるのは勿論、切り離れた肢体の断面とか、晒し出される腹の内臓とか、こういうそこらのゲームでは適当に塗りつぶしている箇所も写実的に且つ細かく描かれていてグロテスク大好きな変態ワイにとって非常的に助かる。なお女を孕ませながら殺すをテーマにしたエロシーンもとても実用的で大変お世話になりました、ありがとうございます。

あくまでも個人的な感想なんだが、プレイ中気付いた点はもう一つ、本作において全体的な雰囲気は「うみねこのなく頃に」にとても似ていると感じ取られる。
封鎖的な環境、複数の家柄、繰り返される残虐的な殺人。もしうみねこは 18 禁ゲームだったらこんな風になるんじゃないかと勝手に思ってた。
それと一番似ているのは最後まで謎は明かされていないという点。

シナリオ上で解明されていない謎は二つある:

  • コトリバコを使って四季家を壊滅させると二荒劉誠に進言した人は一体誰
  • 現代のナレーション視点の四季透子の身分

正しいかどうかは分からないが一応個人的な見解を書き留めておく。

一つ目、コトリバコを使うようと二荒劉誠に進言したのは恐らく八坂依桜だと思う。
シナリオ上に数回も触れられた通り、依桜は変幻自在の力を持っている、そのため透子に偽装するのは容易いこと。また進言する時点は惨劇の前だから依桜が自決して死んだとしても死んでないだとしても何の問題もない。
八坂は何故そんなことをするかと言うと、恐らく全部七名家を破滅させるための布石であるだろう。
最初から本土の編纂院と繋がっている八坂家は本土と手を組んで七童島の治外権を回収しようとしていた、そのため七名家は邪魔になるから全部排除しなければならない。かと言って自分の手を汚すわけにもいかないから、八坂久朗というコマを用意し、四季家と交わさせて、婚姻の日に二人を半死にさせ、その後二人の復讐を利用して七名家を排除させようというシナリオを書いた、もちろん久朗自身は八坂のコマだと知らなかった。
この事についてシナリオ上から見ると恐らく二荒劉顕の爺も知っているんだろう、なんせ七名家の破滅を望んでいる人の 1 人だから。

二つ目、現代の「四季透子」は多分コトリバコから代々産まれた後継者。
久朗と叶子が死に際に匣から産まれる子を匿い、その子は生き延びたとしか考えられない。ただ疑問点はその子あるいはその子の後継はどうやってコトリバコを取り戻したのか。久朗と叶子が死んだ後空になった匣は確かに八坂の人間に回収されたはず、それがどういう経緯で透子の手に戻ったのか思いつかない。
それと九領希を入院させ金を送り続けたのも恐らく八坂依桜個人で、八坂のその他は知らないだと思う。ただそうすると八坂依桜は生きていることになるし、もしかしたら匣を回収したのも彼女かもしれない。まあその点及び全ての開示されていない謎を含めて全部鑑賞者の思うがままに思い描けるから答えは無数にある。

ゲームの最後に、

もっと自分に、都合よく生きよう

という言葉の意味は正直理解してない。この話に何の関係があるん?っていうのはワイの感想。

最後に、本作はグラフィック、シナリオ両方とも妥協のない残虐さとクオリティで作り上げられた素晴らしい作品だった。本格的なバイオレンス・スプラッターエロスが好きな人はプレイして損はないはず。
ちなみに一番好きなシーンは一蔵まどかを犯すシーン。

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PS: なぜ七草蓮華のエロシーンがないんだクッソ野郎蓮華を犯させ殺させろ!!!!!!!!!!

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