「俺たちに翼はない」感想
なぜ香田は攻略不可なんだぶっ殺すぞこんにゃろ!!!!!!!!!!
最初の感想は以上でした。
プレイし始めた際はこのゲームのジャンルもあらすじも一切知らない状態で、実際最初のモノローグで危うく本気でグレタガルドの話を信じてしまった。そんなあやふやの感じでイーグルの後半まで進んでからやっと物語の全体図を掴んでいた。
全ルートの中、タイトルの「俺たちに翼はない」と呼び合っているのは明日香√だけなんじゃないかと個人的にそう思っている。「翼はない人」というのはあっちの世界に行けない人。明日香はかつて翼を持っていたが成長と共にそれを失った、鳳カケルは翼を持っていないが翼を作ろうと必死に足掻いた。二人とも鷹志の「翼」を羨んでいる、その気持ちに俺は強く共感していた。たとえ世界が金色でなくても、翼を持っていれば世界を金色に変えられるなのだから。悲しいことを悲しいと認識しないで生きていく生き方も悪くない。
翼の話以外、このゲームの中で出てくる膨大の数のキャラクター達は一人一人個性と信念とそれぞれの葛藤を付与されている。英里子さんは偽らない、裏表がない、真っ直ぐな態度でよくたまひよを傷つくが内心は優しくてたまひよのことを誰よりも心配している。フレームバーズの人々は下劣より真面目の方が不名誉な思春期で、権力も財力も欲しがらない腕力だけが欲しい一番青春くさい年頃。プラチナ、春恵さん、マルチネス、メンマたちはそれぞれの夢を抱いて砕けて社会の波に翻弄されて諦めてそれでも心の中のどこかで火種を消せなくてひそかに再び燃える日を待っていた。和馬は悪人になろうとしていたが結局完全に割り切れなくて感情と理性の二律背反の中で足搔き続けていた。そんな多種多彩なキャラ達がこのゲームを群像劇とも呼べるほど作り上げていた。
最後に、たまひよ最高にかわいい。